移住のきっかけは…?
東京都で生まれ育って、都内の大学に通っていました。もともと自然や植物が好きで、自然が多いところに住みたいという気持ちがありました。
移住のきっかけは、高校の友人です。彼は元々、福島での就農を考えていたそうです。しかし、東京の農業セミナーで『くらぶち草の会(*)』の話を聞いて、すっかり倉渕に惹かれてしまったそうです。その後、1年間研修を受けてそのまま倉渕で農家になりました。
それから自分も年に2〜3回、友人に会いに倉渕へ遊びに行くようになりました。車で周辺の八ッ場ダムや四万温泉、嬬恋とか、いろいろな場所に連れて行ってもらって、群馬ってこんなにいいところなんだと少しずつ知っていきました。
決定打になったのは28歳の頃です。ちょうど東京での生活を見つめ直していた時期があって、友人に相談したんです。そしたら倉渕はいいところだよと勧めてもらって。遊びに来るたびに地元の方々に自然に受け入れてもらえていたし、「よそ者扱いをされない」あの感覚がずっと心地よかったんですよね。
そして友人の繋がりで就職先も決まり、トントン拍子に倉渕への移住が決まりました。
(*)くらぶち草の会 :群馬県西部、榛名山の西麓 標高400~900mの準高原地域で、農薬や化学肥料に頼らない野菜作りに取り組んでいる生産者団体。
倉渕での暮らし

最初に住んだのは元お蕎麦屋さんの居抜き物件でした(笑)。家賃は安くて広かったんですが、なんとお風呂がなかったんです。それで移住当初はほぼ毎日、近くの茶褐色の湯で有名な天然温泉「相間川温泉」に通っていました。
市民は320円の回数券で入れるので、気軽に行けるんですよ。毎日通っているうちにすっかり顔を覚えてもらえて、それが地域に溶け込む最初のきっかけにもなりました。
今は会社の先輩の紹介いただいた空き家に引っ越して、大家さんにとてもお世話になっています。引越しの際には、大家さんが自分の名刺とタオルを持って、一緒に近所への挨拶回りしてくださり、自然な形でご近所の方々と関係を築くことができました。
倉渕地域内にスーパーがないのは最初ちょっと戸惑いましたが、今では休日にまとめて買うサイクルが日常になりました。親が遊びに来た時も、スーパーやホームセンターの広さにびっくりしていましたね。東京だとなかなか大型店がないので、そういう意味では案外不便はないですね。
住んでいる地域で働く

移住のきっかけになった友人の師匠にあたる方に紹介していただき、今の会社に就職しました。地域の環境インフラを支える仕事で、勤めてまだ1年9ヶ月ほどです。至らないところもたくさんありますが、先輩方に丁寧にご指導いただいていて、毎日少しずつ覚えています。
仕事で倉渕エリアを車で回ることも多いのですが、倉渕は標高が高く、夏も涼しいため、窓を開けて運転できて気持ちいいですね。
移住して変わったこと

消防団に入ったことが、生活の中で大きな変化のひとつです。消防団に所属して、ポンプ操法大会(烏川河川敷)や花火大会前の送水訓練、山火事への出動、静岡への視察旅行…と、いろいろな経験をさせてもらいました。実は高校時代の仲良し3人組が、全員倉渕に移住してきているんです。1人は草の会経由で農家になった友人、もう1人は自衛隊出身の友人で彼も同じ草の会に入り農家をしています。そして今は3人全員が同じ消防団に所属しています。まさかこんな形で再集合するとは思っていなかったですね(笑)。
もちろん、生まれ育った東京を離れることは、私にとって大きな決断でした。しかし、いざ来てみたら、想像していたより全然寂しくないんですよ。むしろ「来て良かった」という気持ちの方が強くて、自分でも少し驚いています。自然の中で仕事をして、顔なじみの人たちと過ごす毎日が、気づけばすごく気に入っています。
倉渕は夏が東京より3〜4度は涼しいですし、アスファルトが少ないので木陰に入るとほとんど汗をかかないくらい爽やか。烏川での釣りも楽しみになりました。冬は本当に寒くて、最初の家では配管が凍るほどでしたが、それも今では笑い話ですね。

左:自宅で倉渕産の蕎麦粉を使用して手打ちしたお蕎麦
これから移住を考えている方へ
倉渕で暮らすなら、待っているより「自分からコミュニティに飛び込む」という心構えが大事だと思います。消防団に入ったり、引越しの挨拶回りをしっかりしたりと、自分から動かないと人間関係はなかなか広がりません。
住む場所についても、早めに動いた方がいいです。
特に単身者は単身者向けのアパートがほとんどないため、地域のネットワークに早めにつながっておくことを強くおすすめします。
私も最初の家はお風呂なしの居抜き物件でしたが(笑)、それはそれでいい経験でした。
あと冬の寒さは想像以上なので、防寒対策は必要ですね。でもその分、夏の涼しさは本当に最高です。そして、移住前に知り合いや友人がいると大変心強いです。私も最初から友人がいたからこそ、スムーズに飛び込めたと思っています。気になる方はぜひ、まずは気軽に温泉やお店、倉渕の自然に一度足を運んでみてください。
移住報告書
出身地:東京都 / 家族構成:単身 / 仕事:倉渕町内に勤務
高崎のいいところ:排他的な雰囲気はない(*倉渕)・夏が東京より3〜4度涼しい(*倉渕)・新鮮な農産物が安く手に入る ・週末に釣りや周辺の温泉街に気軽に遊びに行ける
高崎(倉渕地域)の少し大変なところ:単身者向けの物件がほとんどない・町内にスーパーがなく車が必須・冬は想像以上に寒い
高崎で暮らし始めて変わったこと:消防団を通じて地域のつながりができた・旬の食材を意識するようになった
高崎のお気に入りの場所:相間川温泉・菜の花(ラーメン屋)・泉食堂(定食屋)